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天烏由貴のマイペースな創作ブログ。
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2009/12/19 (Sat)                  風の舞・雷の雅楽



風神、雷神の世界へと行こうか。

ある国に、強い風を吹かせる風神族と雨と雷を落とす雷神族がいた。

風神族は、大きな扇をもって歌いながら舞う。
雷神族は、様々な楽器をもって音を出す。

彼等は、いつも宴を行っていた。

強い風が吹く。
それにより雲が訪れ、強い雨が降る。

雷が鳴る。
風は、それを遠くのところへ響かせる。

ある時、風神族はこんな歌を歌いながら舞った。

強い風よ、遠くへ遠くへ。
弱い風よ、優しく優しく。

強い風も来れば、弱い風も吹く。

冷たい風が来れば、暖かい風も来よう。

舞に舞え。

風により葉が舞う。

舞う風は、何処までも逝く。

さぁ、舞え。
鮮やかに。

さぁ、扇げ。
華やかに。

我等は風の舞を永久(とわ)に舞う。

それの対に雷神族達は、こんな歌を歌いながら楽器を奏でた。

響け、響け。
大きく大きく。

落ちれ、騒げ。
祭りだ、宴だ。

光る龍は、地に落ちる。
小さな龍も地に落ちる。

彼方へ雅楽のこの音を。

大きく響け。

この音色。

曲が終われば、宴も終わる。
雲が千切れ、祭りが終わる。

終わりだ、終わりだ。
最後にひとつ。

昔、人々は風神族と雷神族を『鬼』と勘違いをしたそうだ。
しかし、それは違った。
彼等は、目には見えない『人』なのだ。
だから、目に見えないところで風が吹き、雨が降り、雷が鳴った。
だが、人々はそれに全く気付きはしなかった。

そして、ある時代。
ある画家によりある絵が描かれた。
それは、衣を持ち雲に乗っている鬼と太鼓を持ち雲に乗っている鬼だった。
その絵を画家は、こう呼んだ。

『風神・雷神』

それが描かれた以降、人々の心に天候は鬼と関連すると思い込んだ者もいたそうだ。


・・・

今日も風が吹き、雷が鳴る。
それは、鬼がやっているのじゃない。
風神族と雷神族が舞を舞い、雅楽を奏でているからだ。

・・・fin・・・







++++++++++
高校時代のお伽話的短文です。
これを作った動機が確か、雨風が強い日でした。
あまりにも豪快な感じなのでつい、ふと思いついたのが風神雷神でした。
それで軽く打ってみたもの。
皆さんにとって自然は何ですか?

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プロフィール
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天烏 由貴
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非公開
職業:
大学生
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読書・音楽観賞・創作
自己紹介:
のんびりマイペースな奈良の人。
日本、中国の古代文学に興味あり。
血液型・星座は見事雷蔵と一致している。
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